明石だこ
明石鯛と並び地名付き魚種としては 全国に名高い明石だこですが、たった1年しか寿命のない蛸が これほど有名な理由は その生活環境にあります。明石海峡にいる豊富で、栄養のあるエビ、カニなど甲殻類を食べ、早い潮流の中で力強く育った明石だこは 人間で言うところ「美食家のスポーツマン」噛むほどに味が出て弾力が続くのはその為で 力が強く頭を持ち上げて這う姿は、蛸が立って逃げると言われる由縁です。
大食漢で腹が減ると自分の足まで食べ、飢えをしのぐと言われますが それは半分正解…?ノイローゼの為と言うのが正解です。その食いしん坊の特性を利用し、漁師は獲ったたこにカニなどを与え肥らせてから出荷することもある程です。
ごく一部ですが 明石にはタコツボ漁があります。たこはきれい好きで 汚れたツボには入りません。だからツボの中身を常に掃除しておく必要があります。
雌はツボや岩の窪みに卵を産みつけ、卵がふ化するまで 新鮮な水を送りつづけ外敵から守ります。その間エサも食べずに守り続けた雌は ふ化と同時に一生を終えます。蛸と聞くとなんとなく軽く思われがちですが、 深い愛情の元に生まれてきた憎めないヤツです。でもスミをかけられると やっぱり腹たつかな。
明石だこのゆでかた
たこで有名な明石では年中水揚されていますが、 特に夏場は美味しく安値でもありますので、 自分で茹でてみましょう。
まず、スミ抜き・塩もみからはじめます。
スミ抜き
まず、蛸の頭(胴)を裏返し、中にある「スミ」を取ります。両親指を入れ ひっくり返します。「スミ」の破裂には気をつけてください。臓物の中でも一番奥にある茶色の丸い袋がスミ袋です。他の臓物は好みで 取らなくても良いですが スミが解りにくい時、慣れるまでは臓物全て取った方が良いと思います。
塩もみ
塩を一掴み 直接たこにつけ、ザルにこすり付けるように揉みます。吸盤側の足の付け根が特に取れにくいので 念を入れて揉んで下さい。ヌメリが取れてきたら 水洗いします。ヌメリがアクや炊き上がりの皮剥けに影響しますので きれいに取りましょう。
ボイル
良く沸騰した たっぷりめのお湯に塩を少し入れ たこを入れますが2通りあります。どちらも最後まで強火で 炊き上がれば 必ず すぐに氷水で冷やして下さい。
姿重視
頭を持ち足の先から徐々に入れます。8〜10分ゆで 足の付け根を箸でさして すっと入れば炊き上がりです。
味重視(お勧めします)
足を1本づつバラして まずは1本2〜3分ゆでます。炊き上がっていれば順次湯温が下がらない様に炊いて行きます。
どちらの炊き方も 足を切ると白く 中心部分だけが半透明な状態が 一番甘みの出るゆで方です。
ゆでだこは保存基準が決められているほど 痛みの早いものです ゆで上がりましたら 必ず冷蔵庫で保存してください。
蛸料理紹介
茹でてしまえば 天ぷら、酢の物、焼物など どんな料理にも使え 我々を楽しませてくれますが 生が手に入りやすい今こそ いろいろと 試してみましょう。
刺身
ボイル後ではなく 生にチャレンジしてみましょう。足を1本にバラして吸盤を1列に切り取り 足を廻す様に皮を取ります。薄造りが良いと思います。取った吸盤は湯通しして 酢の物に。
干しだこ
姿良く、1匹のままで干すには 時間と形造りの慣れが必要になりますので、手軽に干す 「1本干し」をお勧めします。塩もみをせず さっと水洗いした足を1本づつバラして 足先の方を洗濯ばさみで吊るし最低3日〜1週間干します。雨など水に濡らさない事と 強い匂いを我慢する事が コツと言えばコツです。
たこめし
干しだこを焼いて 薄く削ぎ、スライスした足を 濃口醤油と酒1:1 +みりん少々のダシ汁に30分〜1時間漬け込みます。普通に炊いたご飯が炊ければ 蒸らしが始まる前に もどした干しだこを入れ(ダシは入れない)、少し混ぜてから蒸らします。出来上がりに好みで ボイルした たこを入れても2種の食感があり 楽しめます。
焼だこ
塩もみした たこを弱火でじっくりと表面が焦げ付く寸前まで焼きます。薄くスライスすれば スルメの様な感覚で お酒の肴になります。
ガーリック炒め
つぶした にんにくを油で炒め、ブツ切りした たこを塩、胡椒で味付けし 強火で一気に炒めます。皮がカリっとなれば出来上がり。レモン汁をひとふりで。
たこしゃぶ
塩もみした 大きめの蛸の足を 半冷凍状態で 薄造りします。しゃぶしゃぶすると 身が縮み 皮の色が出て きれいです。ごまだれが良く合います。
これ以外にも いろいろと試してみて下さい。旬の明石だこは期待を裏切らない味をみせてくれる事でしょう。